第四十六局
伊藤看理 ― 大橋英俊 戦
伊藤看理は十世名人六代宗看の長男で六段、本書の校正を担当している。
大橋英俊は後の柳雪七段である。相懸りで先手は浮き飛車、後手は8二飛
と深く引く形を選択。36手目7五歩とまず英俊の方から動きを見せる。
43手目2五歩は十字飛車の手筋、同歩は同飛から2四歩の垂らしが厳しい。
48手目2二歩と受けさせて部分的には先手成功の形だが、この後角頭の戦
いがどうなるか?59手目4五歩は少々急ぎ過ぎの感じで、第一感は7六銀
だろう。
以下7五歩、8七歩、7六歩、8六歩、同角、8七歩、5三角、3五歩が一つの
変化だが、先手充分に戦えると思う。本譜は7七歩と角道を止められ、58手
目5三角と仕掛けた筋を逆用されてはおかしい流れ。8五歩と受けたものの、
7四飛から3五角が全て先手で続く8七歩が厳しい攻め。角交換から8八角と
英俊は追撃の手を緩めず、76手目7六成銀で飛車の活用が見えてはもう切
れない。
79手目8四角は必死の粘り、83手目7五角では8五歩と打ちたいところだが、
7七金、8四歩、6六桂で5八桂成、同玉、6九角や1四角からの王手飛車の
筋と7六金の駒補充を見られて凌ぎ切れない。88手目4二歩は手堅い受けで、
96手目6六桂が決め手の手筋。5三桂は後の手順をみた形作り。
投了図で先手玉に詰みは無いが、6九桂と受けても4六桂で一手一手である。