§12.5筋位取り戦法
(第1図は△5二金左まで)
将棋の盤は9×9のマス目なので五段目がちょうど自分と相手陣地との「境界線」になります。
この五段目に歩を伸ばし、その歩の位置をキープすることで相手陣地に「圧力」がかかり駒組に制約を与えることができるのです。

これを「位(くらい)」と呼びます。
※但し、飛車先の歩を伸ばすことは「位」とは言いません
(第2図は△6四歩まで)
第1図からの指し手

 ▲5五歩  △4三銀
 ▲5六銀  △6四歩  (第2図)
★CHECK★
当然のことですが、「5筋位取り戦法」は振り飛車が「5三歩型」のときに扱われる戦法です。
★5五歩と伸ばす★
居飛車は▲5五歩と伸ばすのが「5筋位取り戦法」の一手です。
大事なのはこの後の▲5六銀。この5五の歩をしっかりサポートしておくのがポイントです。
第2図から居飛車は「▲4六歩急戦型」と「▲6六歩持久戦型」とに分かれます。
(第3図は▲4五歩まで)
第2図からの指し手 @

 ▲3六歩  △7四歩
 ▲4六歩  △1二香
 ▲3七桂  △4一飛
 ▲4五歩  (第3図)
★CHECK★
△1二香・△4一飛の構えは急戦型に対する「受けの形」として覚えておきましょう。
★急戦型・4六歩★
攻撃的にいくなら▲3六歩〜▲4六歩〜▲3七桂の順。
対する振り飛車は△1二香〜△4一飛と角の動きを楽にして相手の仕掛けを待ちます。
第3図の▲4五歩に振り飛車は△同歩が自然な手ですが、そこで居飛車は
  ・▲4五同桂(一気に決戦)
  ・▲4五同銀(ジッと歩交換)
の2つの選択肢があります。
★MEMO(銀の位置)★ (第4図は▲4五歩まで)
将棋はチョットした形の違いが形勢を左右します。
第4図は▲5七銀
〜▲5六銀として同じように進めた局面です。

第3図と比較してどちらが良いと思いますか?

こちらの長所としては
  ・3七の桂馬を4八の銀が守っている
  ・▲7九角〜▲2四歩と攻める含みがある
などが挙げられます。
(第5図は▲5六銀まで)
第2図からの指し手 A

 ▲6六歩  △6三金
 ▲6五歩  △同歩
 ▲同銀   △6四歩
 ▲5六銀  (第5図)
★CHECK★
6筋の歩は
攻めは▲6二歩(美濃囲いの急所)
受けは▲6九歩(金底の歩)
など活用度が高い。
★持久戦型・6六歩★
▲6六歩の狙いは▲6五歩からの歩交換。
この6筋に歩が使えるようになると、攻めにも守りにも幅広く活用できます。
歩交換の目的を果たした居飛車は、ジッと銀を引いた後、自陣の強化に移ります。
(第6図は△7二金まで)
第5図からの指し手

 △7四歩  ▲5七銀
 △8四歩  ▲6七金
 △8三銀  ▲6八金上
 △7二金  (第6図)
★CHECK★
以前、銀が2枚縦(横)に並ぶのは非常に「良い形」だと解説しました。

また、金が2枚縦(横)に並ぶのは守りが堅くなり、これも「良い形」のひとつです。
★中央の手厚さ★
ここからは進行例のひとつです。
お互いに自陣の強化を図った場合の第6図。
ここまで組み上がれば居飛車も中央が手厚く不満のない局面です。
★MEMO(振り飛車から動く)★
おとなしくしてると居飛車側にも十分な駒組みを与えてしまいます。
振り飛車側から積極的に動く手段もあります。
  ・△5四歩から反発
  ・△3五歩〜△3二飛と動く(石田流)
などが有力です。
※「石田流」はまた改めて紹介します
本来、「位」を取るときはジックリと抑え込む展開が普通ですが、この「5筋位取り」は激しく動いていく順と両方の選択肢があります。
その為、この戦法は「攻め重視の棋風」、「受け重視の棋風」、両方の方に好まれています。


戦法インデックスへ戻る