§63.6二飛戦法
今週は「6二飛戦法」です。
文字通り後手の飛車が△6二飛と移動した形の攻撃陣ですが、前回紹介した「§62.矢倉中飛車」のようにパンチ力のある戦法なので受ける側も細心の注意が必要です。
「右四間飛車」の部類に入りますが、やはり飛車・角・銀・桂馬をフル活用させることが攻めのポイントになります。
【6二飛戦法の駒組み】
まずは駒組み。ポイントさえ抑えれば難しくありません。
(第1図は△6二飛まで)
冒頭図からの指し手

△5三銀右 ▲7八金
△6四歩 ▲6九玉
△6二飛 (第1図)
★CHECK★
まずは飛車を6二へ移動。
★定位置△6二飛★
まず△5三銀右と上がり、その後△6四歩と突きます。
この2手が入ると後手が「急戦矢倉」で来る気配が濃厚なので、先手は▲7八金〜▲6九玉と組んでいきます。
冒頭図では▲6八玉〜▲7八玉の移動手段がありますが、相手が上部から攻めてくるので非常に危険なのです。
そして△6二飛。これが「6二飛戦法」の飛車の定位置になります。
(第2図は△6四銀まで)
第1図からの指し手

▲2六歩 △6五歩
▲同歩 △同飛
▲6六歩 △6一飛
▲2五歩 △6四銀 (第2図)
★CHECK★
6筋の歩を交換しておく。
★飛車先交換の効果★
第1図からは△6五歩▲同歩△同飛と歩の交換をしておきます。
こうすることで持ち駒に貴重な歩を持つことができますし、5三銀も動きやすくなります。
それを具体的に示したのが△6四銀。この銀出が大事なポイントです。
やはり居飛車の将棋は右銀を「攻めの駒」として働かせることが将棋のセオリー。この銀が前へ前へと進んでいくことを心掛けます。
これは矢倉に限ったことではないのでビギナーの方もシッカリ覚えておいて下さい。
(第3図は△7三桂まで)
第2図からの指し手

▲2四歩 △同歩
▲同角 △2三歩
▲6八角 △7四歩
▲7九玉 △7三桂 (第3図)
★CHECK★
右桂を参加させて準備完了。
★桂馬の参加★
先手が▲2五歩と伸ばしたときに△3三銀か△3三角と上がって2四の地点を受ける手もありそうですが、△3三銀だと2二角の働きが悪くなりますし、△3三角は本譜のように▲2四歩と突かれると角も交換してしまう結果になります。
角が盤上から消えてしまうと6筋への攻めの威力が半減してしまうので、後手は2二角のまま待機しておきます。
2筋を受けた後△7四歩〜△7三桂と右桂の活用を図るのが本筋。
この桂馬を参加させることで攻撃力は一段とアップします。これは前回の「§62.矢倉中飛車」でも解説しました。
第3図まで組めれば準備完了。次からいよいよ戦いが始まります。
★MEMO(その他の組み方)★
同じ「6二飛戦法」でも組み方は色々あります。
参考1図は△6五歩からの飛車先交換を後回しにして△7四歩〜△7三桂と右桂の活用を優先させた組み方。タイミングを見て
 ・△6五歩▲同歩△同桂
 ・△6五歩▲同歩△同飛
 ・△8五桂〜△6五歩
のいずれかを選びます。右桂に関しては早い活用が見込めますが、5三銀が本譜に比べ少し出遅れます。第3図と参考図どちらを選ぶかは各自の好みと言ったところです。
(参考1図は△7三桂まで)
【仕掛けのポイント】
飛車・角・銀・桂の全軍躍動で相手をKOしよう!
(第4図は△6五歩まで)
第3図からの指し手 (1)

▲3六歩 △8五桂
▲8八銀 △6五歩 (第4図)
★CHECK★
△8五桂〜△6五歩が「矢倉中飛車」でも現れた仕掛け。角のラインを最大限に発揮した攻めだ。
★仕掛ける★
まずは先手が▲3六歩と突いた変化です。
後手は攻撃準備が整っているので仕掛けていきますが、その先陣を切るのが△8五桂。
放っておけば△7七桂成で「銀・桂交換」なので▲8八銀と引きますが、6筋が薄くなったので△6五歩が厳しい継続手になります。
第4図で▲6五同歩なら△同銀と自然に前進させていけば後手優勢は明らかです。
(第5図は△6六歩まで)
第4図からの指し手

▲5七銀 △6六歩
▲同銀 △6五銀
▲同銀 △6六歩 (第5図)
★CHECK★
最後の△6六歩が決め手。
★好手△6六歩★
△6五歩を取れない先手は▲5七銀と上がり6筋の強化するのが最善の頑張りです。
しかしこの手に対しても△6六歩〜△6五銀と右銀を前進させていきます。
△6五銀に▲5七銀と引くのは△6六歩と打たれて先手陣は崩壊なので▲6五同銀と取る一手。
そこで後手はすぐに△同飛とせず、△6六歩と打つのが「敵の打ちたい所に打て」の格言通りの好手です。
第5図以下は▲5七金△6五飛と進めば、次に△6七銀と打ち込む狙いが残って後手有望な展開になります。

この仕掛けが「6二飛戦法」の基本手順です。
△8五桂〜△6五歩という点で言えば前回の「矢倉中飛車」と似たような仕掛け方ですが、右金が5二の位置だったり、戦いの場所が先手の「玉頭」だったりと条件としては「矢倉中飛車」よりも良い要素があります。
★MEMO(桂馬の使い方)★
桂馬の使い方は△8五桂ばかりではありません。本譜以外には△6五歩からの活用もあるということを覚えておきましょう。
例えば参考2図にように先手が▲5七銀と6筋を手厚く受けた場合には、△6五桂と跳ねたときに「両取り」になっているので△6五歩と合わせていくのが効果的です。
この2つの仕掛けをうまく使い分けてマスターして下さい。
(参考2図は△6五歩まで)
どちらかと言えば「矢倉中飛車」よりも狙いが明快なので扱いやすいと思います。
一気に相手の囲いを崩す爽快感が得られるので、後手番用の武器としてマスターしている人も結構多いようです。
※「6二飛戦法」について詳しく知りたい方は「康光流現代矢倉(第3巻)」を参考にして下さい。


戦法インデックスへ戻る