§24.早石田(急戦石田流)
(第1図は▲2六歩まで)
今週から「石田流三間飛車」の紹介です。
江戸時代の盲目の棋士・石田検校が創始者で、それが「石田流」として現代にまで引き継がれたと伝えられます。
すぐに攻略できそうですが、意外に陣形に隙がなく、それでいて三間飛車特有の「さばき」が持ち味の戦法です。
今回はプロローグとして序盤から激しく戦う「早石田」の定跡を見ていきます。

第1図は普通の序盤。4手目にして早くも動きを見せます。
(第2図は△3二飛まで)
第1図からの指し手

 △3五歩  ▲2五歩
 △3二飛  (第2図)
★CHECK★
角道を止めない△3五歩が「石田流」骨子の一手。
★石田流の第一歩★
今までの三間飛車は△4四歩と角道を止めていましたが、「石田流」では△3五歩と伸ばしていきます。
▲2五歩にも△3二飛。あくまでも角道を止めない方針です。
ここで▲2四歩や▲6五角が目に着きますが成功するでしょうか?
(第3図は△3六歩まで)
第2図からの指し手 @

 ▲2四歩  △同歩
 ▲同飛   △3六歩  (第3図)
★CHECK★
△3六歩が用意の返し技。
以下はどう応じても振り飛車良し。
★変化その1・▲2四歩★
まずは▲2四歩と突いてみます。
このまま問題なく進めば歩を持ち駒にして居飛車も十分です。
しかし、これは「石田流」の罠で、△3六歩と突くのが用意の返し技。
第3図で▲3六同歩は△8八角成▲同銀△1五角で振り飛車必勝。
また、▲4八銀も△8八角成▲同銀△3三角で飛車・銀両取りになります。
(第4図は△3四角まで)
第2図からの指し手 A

 ▲2二角成 △同銀
 ▲6五角  △3四角  (第4図)
★CHECK★
いきなり▲6五角は不発。
しかし、この筋は振り飛車側も注意しなければいけません(MEMO参照)。
★変化その2・▲6五角★
▲6五角の変化です。
次に▲4三角成と▲8三角成の狙った手で、振り飛車は同時に受けることはできません。
しかし、当然ながら「石田流」はこの手の対応策も備えてあります。それが△3四角。
第4図で▲8三角成は△6七角成で馬の位置の良いので振り飛車十分。
また、6七の地点を受ける手(例えば▲6八玉)だと振り飛車も△7二銀として受けることができます。
★MEMO(石田封じの5六歩)★
序盤で石田流の△3五歩に対し、▲5六歩と突く手があります(参考1図)。
ここで振り飛車が△3二飛とすれば今度こそ▲6五角と打って居飛車良しです。
※▲5六歩が△6七角成を消している。

また、参考1図で△8八角成▲同銀△5七角も▲4八角と打ち返して大丈夫。

振り飛車は一度△4四歩と突くか、「§18.立石流」に変化するのが有力でしょう。
(参考1図は▲5六歩まで)
(第5図は△5五角まで)
第1図からの指し手 B

 ▲4八銀  △3六歩
 ▲同歩   △8八角成
 ▲同銀   △5五角  (第5図)
★CHECK★
▲3六同歩のところ、▲3八金と受けるのも手堅い指し方。
以下、△3七歩成▲同銀△3六歩も▲4六銀と上がっておいて問題なし。
★本手順・▲4八銀★
▲4八銀と上がるのが最善手です。
これに対し、振り飛車は△3六歩と仕掛けてきます。
▲3八金と上がる手もありますが▲3六同歩と取ってみましょう。
振り飛車は角を交換した後、△5五角と打ち「飛車・銀両取り」がかかりました。
居飛車不利に見えますが、次の一手でピッタリ受かります。
(第6図は▲4六角まで)
第5図からの指し手

 ▲3七銀  △3六飛
 ▲4六角  (第6図)
★CHECK★
▲4六角のところ▲7七角でも良い。
★両取りを受ける銀上がり★
▲3七銀が唯一の受け。
これで飛車取りを防ぐと同時に、8八の銀にもヒモがつきました。
しかし、△3六飛が強烈な勝負手です。
▲3六同銀は△2八角成でハッキリ悪くなるのですが、▲4六角がシッカリした受けで凌げています。

第6図以下は、
  ・△4六同飛▲同銀△1五角▲3七歩
  ・△4六同飛▲同銀△9五角▲7七飛
  ・△3七飛成▲5五角△2八竜▲同角△2七飛▲3八金
  ・△4六同角▲同銀△1五角▲3七歩△2六飛▲同飛△同角▲2八飛
いずれも難しい形勢ですが居飛車も十分戦えます。
★MEMO(升田式石田流へ続く)★
△3六歩であまり戦果が上がらなければ、振り飛車は△6二玉から囲いに専念したいところです(参考2図)。これは「§25.升田式石田流」になります。

▲7八玉まで寄ると今度は▲2四歩△同歩▲同飛を警戒しなければいけません。
※△3三角が「飛車・銀両取り」にならない。
どうやって受けるのが良いでしょうか?

この変化は次回解説します。
(参考2図は▲7八玉まで)
「石田流」は三間飛車の中でも主導権を取りやすいので、アマチュアにはかなり採用率が高い戦法です。
今回解説した手順はどれも有名なものばかりなのでビギナーは何度も盤に並べて覚えて下さい。


戦法インデックスへ戻る