§25.升田式石田流
(第1図は▲4八銀まで)
最初は奇襲戦法のように見られていた「§24.早石田」。
それに独自の創意を加え、プロ間でも通用する戦法に仕立て上げたのが天才棋士・升田幸三実力制第四代名人です。
すぐに仕掛けず美濃囲いに玉を移動させた後、本格的な戦いを起こす作戦ですが、時折驚くような罠もあるので居飛車側も注意が必要です。

まずは第1図。ここまでは前回と同じ局面です。
(第2図は▲7八玉まで)
第1図からの指し手

 △6二玉  ▲6八玉
 △7二玉  ▲7八玉  (第2図)
★CHECK★
7筋まで移動すれば玉はかなり安全になる。ビギナーはこの手の大切さを忘れないこと。
★本格的な戦いの前に★
△3六歩と仕掛けずに△6二玉〜△7二玉と囲うのが「升田式石田流」です。
居飛車側もそれに合わせて▲6八玉から移動させます。
▲7八玉まで寄ったのが第2図。
ここで (1)△8二玉 (2)△3四飛 があります。
(第3図は▲2四同飛まで)
第2図からの指し手 (1)

 △8二玉  ▲2四歩
 △同歩   ▲同飛  (第3図)
★CHECK★
▲2四歩は自然な手。
これで問題なければ居飛車が十分。
★2四歩は成立するか?★
(1)△8二玉は「美濃囲い」を目指した一手。
ここで▲2四歩と突くとどうなるでしょう?
7八玉の形なので△8八角成▲同銀△3三角が「飛車・銀両取り」になりません。
(第4図は△2二飛まで)
第3図からの指し手

 △8八角成 ▲同銀
 △2二飛  (第4図)
★CHECK★
△2二飛が好手。
飛車の取り合いは振り飛車良し。
★飛車をぶつける★
角交換をした後の△2二飛が用意の切り返しです。
これに対し▲2二同飛成は△同銀で、飛車の打ち込み場所がなく居飛車不満。
よって第4図では▲2三歩と打ちますが△1二飛と端に寄るのがポイント。
※▲2三歩に△3二飛は▲6六角と打つのが良い。つまり1一香を浮き駒にしないための△1二飛です。
★MEMO(ジックリ囲うのが無難)★
第4図以下、▲2三歩△1二飛▲2二角と強引に攻め続ける変化もありますが、△3二金で「やや無理筋」のいうのが定説。
▲2四歩は居飛車が好んで選ぶ順ではないでしょう。
△8二玉には▲4六歩ぐらいが無難です。
(第5図は▲8八銀まで)
第2図からの指し手 (2)

 △3四飛  ▲2二角成
 △同銀   ▲8八銀  (第5図)
★CHECK★
△3四飛に何気なく▲4六歩だと、△7四飛と回られて次の△7六飛が受けにくい。
★3四飛には角交換★
(2)△3四飛は▲2四歩を受けつつ、次に△7四飛(7六歩を取る)を狙った積極的な一手。
それに備えるため居飛車は先に角交換をして▲8八銀(または▲6八銀)と上がっておきます。
これで△7四飛と動いてきても▲7七銀と受けて大丈夫です。
(第6図は▲4七銀まで)
第5図からの指し手

 △3二金  ▲7七銀
 △8二玉  ▲4六歩
 △7二銀  ▲4七銀  (第6図)
★CHECK★
振り飛車は、
§18.立石流四間飛車」に近い駒組み。
★駒組みが続く★
第5図以下はお互い陣形を整えていきますが、第6図が一番よく現れる形でしょう。
ここで有力なのは△3三桂か△3三銀。
どちらにしても振り飛車は
低い陣形で飛車・角をうまくさばけるかがポイントになります。
★MEMO(奇襲に注意)★
第6図から△3三桂と跳ねたのが参考2図。
この形で居飛車は注意しなければならない筋が2つあります。
 ・△2五桂(取れば△1四角で飛車・銀両取り)
 ・△1四角(これも2五歩を取る狙い。▲1六角なら△2五桂▲同角△2四飛)
よって参考2図では▲3八金か▲5八金右と上がっておいて、△1四角には▲5六角と打ち返す手を用意しておきます。
(参考2図は△3三桂まで)
升田先生本人が名人戦で用いたように戦法としては非常に優秀な三間飛車です。
力戦タイプの将棋で、経験量によって巧拙が出やすいので一局でも多く指してみることがマスターへの近道です。


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