§26.石田流本組
§24.早石田」、「§25.升田式石田流」と紹介しましたが、いずれも飛車・角が乱舞する激しい戦いでした。
今回紹介するのはジックリと囲い合う持久戦調の戦いです。

「石田流本組」は理想形のひとつとして有名で、非常にバランスが良く、振り飛車党は是非マスターしておきたい駒組みです。
その形と戦いの一部を見ていきましょう。
【石田流本組の形】
「石田流本組」も様々なパターンがあります。
<9七角型>
これが一般的に「石田流本組」と呼ばれる形。
端角という珍しい形ですが、7六飛とのバランスが非常に良く「振り飛車理想形」のひとつです。
<5七角型>
角を5七の地点に移動させた形。
特に居飛車が△8四飛と浮いている形に対して用いられます。
仕掛けの主導権を握りやすい構えです。
<6六角型>
居飛車が角道を止めているときに現れやすい。
角の位置が非常に良く、左図の場合だと間接的に相手玉を睨んでいることもメリットのひとつ。
★MEMO(その他の形)★
三間飛車以外でも石田流の形に組むケースがあります。
参考図は「ひねり飛車」の戦いですが、よく見れば先手陣は<9七角型>に似ています。

また四間飛車でも展開によっては石田流に組替える場合があります。
当然、三間飛車のときに比べ1手損になりますが「飛車・角をさばく」という点において有力な選択なのです。
(参考図)
【石田流の戦い】
飛車・角をさばいて局面をリードしよう!
(第1図は△3一金まで)
第1図からの指し手

 ▲7四歩  △同歩
 ▲同飛  (第2図)
★CHECK★
石田流VS居飛車穴熊の実戦例。
もし居飛車側が8四飛の形で構えている場合は▲7四歩△同歩▲6五銀という指し方が有力。
★実戦例その1★
「石田流」の基本中の基本とも言える手順。
居飛車が8二飛のまま7四の地点を受けない場合は、▲7四歩△同歩▲同飛と交換して歩1枚を手持ちにしておきます。
第2図は△7三歩と打つ一手ですが、この後は
 ・▲7五飛と引いて次に▲8五飛を狙う
 ・▲7六飛と引いて次に▲6五銀や▲6五桂などを狙う
という展開になります。
また、場合によっては▲7二歩と打って「と金作り」を狙うのも効果的です。
(第2図は▲7四同飛まで)
(第3図は△4三金まで)
第3図からの指し手

 ▲7四歩  △同歩
 ▲6五歩  △8二飛
 ▲7四飛  △7三歩
 ▲7六飛  (第4図)
★CHECK★
石田流VS玉頭位取りの実戦例。
これも「石田流」では頻繁に現れる手順です。
★実戦例その2★
この形では8四飛が角のラインに入っているので、▲6五歩と▲7四歩を突いて動いていきます。
細かいところですが先に▲7四歩と突く方がベターでしょう。
※▲7四歩に△同飛とする変化があります。▲6五歩が突いてあると飛車交換になったとき2二角で7七桂・9九香を取られやすく、6六歩のままで飛車交換になれば先に相手陣に飛車を打ち込んで振り飛車が十分。

第4図以下は▲6六銀〜▲7五銀と出て行く展開になります。
(第4図は▲7六飛まで)
(第3図は△2五歩まで)
第5図からの指し手

 ▲8六歩  △同歩
 ▲7四歩  △同飛
 ▲8六飛  (第6図)
★CHECK★
石田流VS玉頭位取りの実戦例。
これは<6六角型>の有名な手順。
振り飛車ハッキリ優勢!
★実戦例その3★
単に▲7四歩と突くのは△同飛▲同飛△同歩となり、6六角が浮き駒になるのが少し気になります。
先に▲8六歩と突き捨てるのが手筋。
そして、この突き捨てを生かしたのが最後の▲8六飛です。
第2図は飛車成りと▲7五歩(飛車が詰み)の両方を受ける手がありません。

変化するなら▲7四歩に対して△8三飛ですが、▲7三歩成△同飛▲8六飛として、やはり振り飛車が指しやすい局面です。
(第6図は▲8六飛まで)
「速攻」が持ち味なので居飛車穴熊などに対しては、囲いが完成するまでに仕掛けていけば戦果を上げやすいでしょう。
急戦調、持久戦調の両方に対応できる「石田流」の優秀さを一度試してみて下さい。


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