§50.角換わり
関西の第一人者・谷川浩司王位が「角換わり」のスペシャリストであることはご存知の方も多いでしょう。この戦法の歴史もかなり古く、ブームの起源を辿っていけば昭和20年代まで遡ります。
その戦跡は現代でも生かされ「角換わり定跡」は今ではかなり完成度の高いものへと進化しました。

今回はプロローグ編で序盤の基本手順を見ていきましょう。
(第1図は▲2六歩まで)
初手からの指し手 (1)

▲7六歩 △8四歩
▲2六歩 (第1図)
★CHECK★
「角換わり」は相居飛車の将棋。
お互いが飛車先を伸ばしていく。
★角換わりのスタート★
先手はまず▲7六歩と角道を開け、後手は△8四歩と飛車先を伸ばします。
そして▲2六歩。これが「角換わり」へ最初の手順です。
細かく言えば絶対手なのは2手目の△8四歩だけで、▲7六歩と▲2六歩は前後しても構いません。
とりあえず第1図に進めるのが「角換わり」へのスタートになります。
(第2図は△3二金まで)
第1図からの指し手

△8五歩 ▲2五歩
△3二金 (第2図)
★CHECK★
△3二金が相居飛車の将棋では価値の高い一手。
★大事な金上がり★
第1図で△3四歩なら「§36.横歩取り」に変化します。
しかし「角換わり」への誘導を真っ向から受けて立つならここで△8五歩。
先手の▲2五歩に対して△3二金と上がるのが大事なポイントです。
これを急いで△8六歩▲同歩△同飛と交換するのは、▲2四歩(変化1図)と切り返されてしまいます(△2四同歩なら▲2三歩で先手角得確定)。
この攻め筋は「43.相掛かり」でも紹介したので思い出して下さい。
(変化1図は▲2四歩まで)
(第3図は▲8八銀まで)
第2図からの指し手

▲7七角 △3四歩
▲8八銀 (第3図)
★CHECK★
▲7七角を上がって8筋を受ける。
★8筋を受ける★
第3図で先手は▲7七角と上がって8筋を受けておきます。
後手の△3四歩に対して▲2四歩△同歩▲同飛と進めると、すかさず△8八角成▲同桂△3三角(変化2図)と打たれて後手優勢です。
そこで▲8八銀。これなら△7七角成には▲同銀と形良く取ることができます。
補足ですが7七の地点は銀の方が良く、金だと「悪形」になります。細かいところですが知っておくと良いでしょう。
(変化2図は△3三角まで)
(第4図は△3三銀まで)
第3図からの指し手

△7七角成 ▲同銀
△2二銀 ▲7八金
△3三銀 (第4図)
★CHECK★
▲7八金を後回しにする変化もあるが、この金上がりは6七の地点や8筋を補強する意味で大事な手なので、ビギナーには第4図の形がお勧めです。
★角換わり基本形完成★
後手は△7七角成と角交換をして△2二銀と上がります。
▲7八金のところ▲2四歩△同歩▲同飛も目に着きますが、これは△3五角(変化3図)と打たれます。
よって先手は一旦▲7八金と上がり、後手は△3三銀と2筋を受けます。
第4図が角換わりの基本形とも言うべき局面で、ここが作戦の岐路になります。
まずは初手からここまでの手順を覚えましょう。
(変化3図は△3五角まで)
★MEMO(先手むりやり角換わり作戦)★
初手から▲7六歩△3四歩▲2二角成と進める変化があります(参考1図)。
厳密には先手の一手損で先手・後手が入れ替わってしまう計算ですが、「角換わりが得意だ!」という人は参考にしておけば良いでしょう。
将棋大会などで用いれば確実に自分の得意分野に誘導することができます。
(参考1図は▲2二角成まで)
【参考・2六歩型角換わり】
現代将棋は序盤が洗練されているのが特徴ですが、それは角換わりでも同じ。
一時期は矢倉や振り飛車に人気を奪われた「角換わり」も最近は再び盛んになりつつあります。そのきっかけとなったのが「2六歩型角換わり」。
第5図はその基本形です。
この形の損得はビギナーには伝わりにくいですが、それは強くなってから知れば良いこと。まずは本譜の第4図で角換わりをマスターしていけば十分です。

初手からの指し手
  ▲7六歩△8四歩▲2六歩△8五歩▲7七角△3四歩▲8八銀△3二金
  ▲7八金△7七角成▲同銀△4二銀(第5図)
(第5図は△4二銀まで)
戦いが始まってから寄せ合いまでの手数が短い変化が多く、そういう意味では「相掛かり」よりも直線的です。
難しく感じる戦法ですが、ポイントと急所さえ抑えればマスターできる戦法ですから頑張って勉強していきましょう。


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