§33.向かい飛車
振り飛車シリーズの第4幕は「向かい飛車」です。
「向かい飛車」は飛車を▲8八飛(△2二飛)と移動させて戦う作戦で、この位置に飛車がいれば居飛車の飛車先は簡単には突破されません。それどころか▲7七角(△3三角)と協力させて居飛車の飛車先を逆襲する狙いも含んでいます。

まずは基本事項の確認し、実戦例を見ていきましょう。
【向かい飛車いろいろ】
定位置は▲8八飛。そしてそれに合わせた駒組みをいくつか紹介していきます。
<7八金型>
攻撃重視の向かい飛車。
この後は▲8六歩△同歩▲同飛(または▲同角)と進む。
大駒交換になったとき打ち込み場所が少ないのがメリット。
<5八金型>
こちらは受け重視の向かい飛車。
美濃囲いから「高美濃」や「銀冠」に発展させていくことができる。
<7八銀型>
この状態で戦いを起こすのも有力。
7八銀、6九金の布陣が非常にシッカリしています。
少ない手数で完成するので速攻性が持ち味。
★MEMO(7五歩の形)★ (参考1図は▲7五歩まで)
上記の「7八金型」から▲7五歩と突いた形(参考1図)。

この▲7五歩は、8一桂の活用を抑える役目もありますが
後の展開として
  ・▲8六歩△同歩▲同飛△8五歩▲7六飛(石田流に近い形)
  ・▲7六銀から8筋方面に銀を前進させる
などの狙いも含んでいます。
居飛車が持久戦志向のときに有力な指し方です。
【向かい飛車の戦い】
攻める振り飛車!その激しい戦いを観賞しましょう。
(第1図は△4二玉まで)
第1図からの指し手

 ▲8六歩  △同歩
 ▲同角   (第2図)
★CHECK★
機敏な一手で振り飛車勝勢!
★居飛車のハマリ筋★
何気ない序盤に見えますが振り飛車側に大きなチャンスが生じています。
▲8六歩が一瞬の隙をとらえた機敏な一手。
これに対しては△同歩と取るしかありませんが、▲同角が王手になるのがポイント。
例えば第2図で△3二玉と寄れば▲3一角成!で居飛車必勝になります。
他の受けでもやはり王手と8二飛を狙って振り飛車十分な形勢です。
(第2図は▲8六同角まで)
★MEMO(注意事項)★
この手順は居飛車側が注意しなければいけない変化です。予防策として、
  ・△5四歩よりも先に△4二玉と上がる
  ・△6四歩と突いておく
  ・7一銀のまま囲う(8二飛にヒモをつけておく意味)
などで警戒しておきましょう。
(第3図は△1二香まで)
第3図からの指し手

 ▲8六歩  △同歩
 ▲同飛   (第4図)
★CHECK★
第3図は居飛車穴熊に対しての振り飛車速攻作戦。
囲いが完成しない内に戦果をあげることが狙い。
★飛車をぶつける★
7八金型・向かい飛車の変化です。
穴熊を目指した居飛車に対し、振り飛車は素早い動きで対抗します。
▲8六歩△同歩に今度は▲同飛とぶつけて勝負。
※このとき△同飛▲同角と取り合う変化は下記の
MEMOを参照して下さい
(第4図は▲8六同飛まで)
第4図からの指し手

 △8五歩  ▲8八飛
 △1一玉  ▲7五歩
 △2二銀  ▲7六銀 (第5図)
★CHECK★
8八飛と引いた後、▲6五歩と突いて角を働かせる手も有力。
★8筋の受けがない★
居飛車は△8五歩と打って激しい戦いを避けてきます。

その直後の△1一玉が疑問手でした(△7四歩なら互角)。
それを咎めたのが▲7五歩。
これは次に▲7六銀〜▲8五銀と進めて8筋を突破する狙いですが、
それが分かっていても居飛車は受ける手段がありません。
第5図は既に振り飛車優勢です。
(第5図は▲7六銀まで)
★MEMO(取り合う変化)★
さて、先ほど振り飛車が▲8六同飛をぶつけた手に対し居飛車も勢い良く取り合うとどうなるでしょう?その取り合った局面が参考2図です。

振り飛車は▲7一飛など打ち込む場所が多いのに対し、居飛車は攻める所がありません。また、4一金が離れ駒になっているのもマイナスの要素です。

その点を考慮すると参考2図は振り飛車十分な局面と言えます。
(参考2図は▲8六同角まで)
振り飛車の中で最も攻撃性のある「向かい飛車」。これを警戒して△8五歩(▲2五歩)を後回しにする人もいます。
特に居飛車穴熊を封じる目的で使う場合も多く、マスターしておけば強力な武器となるのは間違いありません。


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