§20.4五歩の仕掛け
(第1図は△7二銀まで)
今回から三間飛車VS急戦の定跡を勉強していきましょう。
基本的には四間飛車の章で紹介した急戦策を用いても通用しますが、ここでは「三間飛車の定跡」として確立されている手順についてのみ触れることにします。
※「居飛車穴熊」や「左美濃」のような持久戦調の戦法についても同じ理由で割愛します。

さて第1図、ここから居飛車は急戦の攻撃陣を築いていきます。
(第2図は▲3七桂まで)
第1図からの指し手

 ▲4六歩  △5二金左
 ▲3七桂  (第2図)
★CHECK★
▲4六歩は急所の一手。
後に紹介する中飛車、向かい飛車にも非常に有力な筋です。
★本筋の4六歩★
居飛車の▲4六歩が今回の定跡の骨子となる一手です。
四間飛車の場合は4筋の反発がきつくなるので突きにくいですが、
基本的に振り飛車に対して▲4六歩は筋の良い手です。
△5二金左と上がって美濃囲いを完成させた振り飛車に対し、▲3七桂と跳ねて桂馬も戦いに参加させておくのがポイント。
しかし、同時に桂頭(3六の地点)が振り飛車の狙い所となるので注意しておきましょう。
第2図で振り飛車には @△5四歩 A△4三銀 B2二飛 が有力です。
(第3図は▲4五歩まで)
第2図からの指し手 @

 △5四歩  ▲2四歩
 △同歩   ▲4五歩
 △同歩   ▲5五歩
 △同歩   ▲4五桂
 △4四角  ▲5四歩  (第3図)
★CHECK★
手順前後は成立しない。
細かいところだが覚えておこう。
★仕掛けは2四歩から★
まずは△5四歩の変化。
居飛車は
2筋の歩を突き捨ててから▲4五歩とします。
先に▲4五歩と突くのは、同じように見えて実は大違い。それは下記の★MEMO★を参考にして下さい。
△4五同歩を角道が開いたところで、▲5五歩と突くのが気付きにくい好手。△5五同角は▲同角△同歩▲2四飛で居飛車良し。
ビギナーは最終手▲5四歩を参考にしましょう。将棋は歩で攻めるのが一番厳しいのです。
★MEMO(手順前後不成立)★
居飛車が2筋の突き捨てを忘れて▲4五歩とする変化の解説です。
これには△3五歩が機敏な一着(変化1図)。以下は、
  a)▲4四歩△3六歩▲4五桂△1五角
  b)▲3五同歩△4五歩▲4四歩△3六歩▲4五桂△2二角▲2四歩△3五飛
いずれも振り飛車が指しやすくなります。

「手の順番の大切さ」を理解するために、一度盤に並べてみて下さい。
(変化1図は△3五歩まで)
(第4図は▲4四歩まで)
第2図からの指し手 A

 △4三銀  ▲6八銀
 △5四歩  ▲4五歩
 △3五歩  ▲同歩
 △4五歩  ▲3三角成
 △同飛   ▲2四歩
 △3六歩  ▲2三歩成
 △3五飛  ▲2五飛  (第4図)
★CHECK★
△5四歩と突くと、「△5四銀」と逃げる手がなくなり▲4四歩の取り込みが厳しくなるので一長一短です(代わりに△6四歩も有力)。
★昔の定跡手順★
次に△4三銀の変化です。
ここでは
古くから伝わる定跡手順に触れてみたいと思います。
まず居飛車は▲6八銀をひと呼吸おいてから▲4五歩と仕掛けます。
ここでもやはり△3五歩は厳しい攻めですが、まだ持ち駒に歩がないので一度▲同歩と取っておきます。
以下は互いに自然な手順で進みますが、最後の▲2五飛が妙手!
△2五同飛なら▲同桂で次に▲3三とが厳しく、△3七歩成も▲3五飛△4八と▲同金で居飛車がやや良しです。

というのが「昔の説」ですが、第4図で△3四銀という手もあり、実際は難しいと思います。
この他にも、
  ・7九銀型で仕掛ける
  ・▲4五歩の前に▲2四歩と突いておく
など、工夫の余地も十分あります。一応、第4図までの手順は「基礎知識」として知っておきたい変化です。
★MEMO(四間飛車に戻る)★
上記の手順の▲4五歩に△4二飛と寄る手も有力です(変化2図)。
この場合は「§9.4五歩早仕掛け」と似た形になります。

すぐに▲2四歩△同歩(△同角)▲4四歩とするか、もしくは一旦▲5七銀左と中央を手厚くしてから攻め込む順が良いでしょう。
(変化2図は△4二飛まで)
(第5図は▲4四歩まで)
第2図からの指し手 B

 △2二飛  ▲5五歩
 △4三銀  ▲4五歩
 △同歩   ▲同桂
 △4四角  ▲3七銀
 △6四歩  ▲4六銀  (第5図)
★CHECK★
5三歩型には▲5五歩と「位」を取るのが有力な指し方。
★桂馬の働き★
最後に△2二飛の変化です。
この場合は先に2筋を受けているので、居飛車はゆっくりした攻めが効果的です。
▲5五歩と「位」を取り、4五に桂馬を跳ねておくのが定跡。
その後は、▲3七銀〜▲4六銀と前進させていきます。
第5図は次に▲3五歩△同歩▲3二歩が狙い(△3二同銀は▲3八飛)。
桂馬の働きに差があるので居飛車が十分な形勢です。
細かく解説すると厚い本が一冊できてしまうほど複雑ですが、この「4五歩の仕掛け」が三間飛車に対する急戦の基本中の基本です。
ビギナーにはかなり難しい内容なので、一度盤に並べて勉強するのが良いでしょう。


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