§36.横歩取り
今週からいよいよ相居飛車編になります。

まず最初は「横歩取り」の戦いをいくつか見ていきましょう。
「横歩」というのは先手の飛車が2四の地点から、後手の3四歩を取ることを意味しています(左図)。歩得ですが簡単に先手良しにはなりません。後手にも様々な作戦があり本当の勝負はここから始まるのです。ひとつひとつ見ていきましょう。

今回は横歩取りの出だしを再確認します。
(第1図は△8四歩まで)
初手からの指し手

 ▲7六歩  △3四歩
 ▲2六歩  △8四歩
 ▲2五歩  △8五歩  (第1図)
★CHECK★
横歩取りのスタート。最初の4手は順番が前後しても構わない。
★横歩取りの第一歩★
「相居飛車」なので当然お互い飛車先を伸ばしていきます。
そして同時に角道も開けているのが横歩取りの特徴。
この▲7六歩△3四歩がなければ「相掛かり」の戦型になり、これはまた改めて紹介しましょう。
最初の△8四歩までの順番は問いません。この4手が指されれば横歩取りの戦型に進むことができます。
お互い飛車先を伸ばして第1図になりますが、ここで次の指し手がポイントになります。
(第2図は△3二金まで)
第1図からの指し手

 ▲7八金  △3二金  (第2図)
★CHECK★
大事な金上がり。
相居飛車の戦型ではよく現れる。
★金を上がる★
▲7八金と上がるのが大事な手。
普通は▲2四歩△同歩▲同飛と攻めたいところですが、△8八角成▲同銀△3三角という反撃があります(変化図)。そこから▲2一飛成や▲2八飛でも戦えそうですが、やはりどちらの変化も苦労が多く先手が望んで飛び込む順ではありません。
△3二金も同様の意味です。
慌てて▲2四歩ではなく、まずは自玉の憂いを消しておくためにジッと金を上がっておくのが強い指し方です。
(変化図は△3三角まで)
(第3図は△8六同飛まで)
第2図からの指し手

 ▲2四歩  △同歩
 ▲同飛   △8六歩
 ▲同歩   △同飛  (第3図)
★CHECK★
「飛車先交換3つの得あり」という格言もあります。
★飛車先の歩を交換する★
第2図からは▲2四歩△同歩▲同飛と歩を交換します。
この飛車先の交換というのは、歩を持ち駒にしながら飛車の動きが楽になるので非常に価値が高いのです。
△8八角成▲同銀△3三角も両取りにならないので怖くありません(▲7八金の効果)。
後手も同じ意味で△8六歩から交換します。
★MEMO(2三歩型)★
後手の△8六歩のところで△2三歩と打つ手もあります。
これに対して▲3四飛と取れば横歩取りになり、これは「§42.2三歩型」で詳しく紹介します。
(第4図は▲3四飛まで)
第3図からの指し手

 ▲3四飛  (第4図)
★CHECK★
当然、横歩を取らない手もある。
▲2六飛と引けば「相掛かり」へ変化します。
★横歩取りワールドへ★
▲3四飛と歩を取っていよいよ「横歩取り」の世界へ飛び込みます。
先手の主張は「歩得」。たった1枚だけの得ですが、その価値は大きいものです。
逆に後手は歩を取られた代わりに作戦を選ぶことができます。
激しい攻め合いや、ジックリ囲う展開など様々ですが、第4図からどういう展開になるかは次の後手の指し手次第です。
そのような意味で「横歩取り」は先手・後手共に同意して迎えた戦法とも言えます。
「横歩取り」は相居飛車の中でも特に人気の高い戦法です。
アマチュアには熱心な方も多く、深く研究しておけばビギナーが高段者に勝つこともできます。


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